本のレビュー
(私が読んだ本についての感想)

評価:★★★★★
クイム・ゴメスによる『野獣のまなざし』は、非常によく書かれた古典的な犯罪小説であり、心理的な深みと持続的な緊張感が際立っています。本作は、モソス・デスクアドラの伍長パスクアル・バラシュを主人公に、家庭内暴力の事件と思われる若い女性の殺害事件の捜査を描いています。作者の最大の功績は、登場人物の緻密な描写にあり、特に自身の内なる葛藤と向き合うバラシュの人物像が印象的です。物語のテンポは軽快でありながら、内省の余地も残しており、読書体験を豊かにしています。
また、アレックス・サンタロによってデザインされた表紙は、小説の暗い雰囲気を完璧に表現しています。ダイナミックな線と刺激的な色彩によるイラストは、一目で暴力と緊張感を想起させます。
*Gómez, Quim. L’esguard de la bèstia. Llibres del Delicte. Barcelona, 2020. 263 pàg. Portada: Àlex Santaló. ISBN: 978-84-122718-0-5